正しく資金計画をつくろう

住宅会社が提示する「資金計画」の目的は総額の確認です。住宅会社は住宅を販売する為に見積書をお客さまに提示しますが、工事代金だけでなく、税金や行政庁への申請関係費用や、住宅会社以外に発注する工事など、さまざまな費用(これを住宅会社は諸経費と呼んでいるところが多い)が掛かります。そこで、お客様が支払う総額がいくらなのかを、かかる費用側から見て概算で示すためのものとして「資金計画」が必要になります。

 

しかし、住宅会社としては工事代金を集金できれば良いのですから、「資金計画」などという面倒な工程は省いてしまおうということで、作成してくれないところもあります。また、競合他社と比較されたときに高いと思われないため、全体的に低めの金額で作られている「資金計画」もあり、最終的には「資金計画」より300万円以上オーバーしたというような事例も少なくありません。


資金計画の本来の役割

一生で使えるお金には限りがあります。

有限であるならば、大切なのは「いくらの物件が買えるのか」という視点です。つまり、自己資金がいくら用意できているか、住宅ローンをいくらまで支払えるかを計算して、住宅購入に掛かる総額を購入資金側から見積もります。

 

計算式で書くと以下の通りです。

 

総額(費用側)=工事代金+諸経費(+土地代金)

総額(資金側)=自己資金+住宅ローン

総額(費用側)=総額(資金側)

 

ここで大切なのは、住宅ローンは「いくら借りられるか」ではなく、「いくらなら無理なく返せるか」にこだわるというところです。借入金額を少なく、返済期間を短くすることで支払う利息も少なくなります。金融機関は貸す事が利益に繋がりますから、長期間に渡り、たくさん貸してくれるかもしれませんが、私たちはは如何に借入金額を減らすかを考えましょう。


諸費用の計算

次に計算するのは、購入できる物件金額の算出です。つまり、総額が決まったら、そこから掛かる諸経費を先に差し引き、工事代金や土地代金に充てられる金額を逆算しましょう。

 

計算式に書くと以下の通りです。

 

工事代金(+土地代金)=総額-諸経費

 

諸経費の代表的なものは次の1~5です。

  1. その他の工事代金(住宅会社に支払わない金額)※エクステリア工事、カーテン工事、空調工事、水道管引込工事、ガス配管工事、地盤改良工事など
  2. 金融機関諸経費(住宅ローンを利用する場合)
  3. 登記関係諸経費(表示登記、保存登記、滅失登記、抵当権設定登記など)
  4. 国、県、市区町村に支払う金額(収入印紙、不動産取得税、水道加入金など)
  5. その他の費用(引っ越し代金、家具購入、家電購入など)
  6. 保障関係費(生命保障、火災保障、地震保障など)

 

建築会社が作成してくれたものがあれば、参考にしてみて下さい。相当に少なめの金額が提示されている場合がありますので、ご自身で見積もりを取ったりして確認する事をお勧めします。


まとめ

消費者側から見た「資金計画」とは工事代金にいくら掛けられるかを算出する為のものであり、売り手側からは絶対にお勧めしたくない方法ですが、これから住宅購入を検討している方はぜひ計算しておきたいものです。通常の買い物のようにお財布の中身で買えるものであれば、買っても良いか、買ってはいけないかの判断も容易ですが、「一生に一度」や「人生最大の買い物」と形容される住宅は判断が難しくなります。「人生最大の買い物」であるがゆえに、失敗をすると取り返しがつかなくなることもありますから注意が必要です。

 

住宅は「夢」であると同時に「消耗品」でもあります。常に現実的な計算をする事によって、その後の生活を犠牲にすることのない住宅購入にしましょう。